DAWN

時間とアート(1)


1日24時間、1年365日の暦が世界中で共通する基準として定着する現代からは、この基準が存在しなかった時代の生活を想像するのは困難かもしれない。時間の概念がなければ、待ち合わせの時間を設定することも、自分が何歳かということも把握できない状況になる。
時間を大切にしよう。時間は2度と戻らない。
そんな言葉を聞いたことがある。
時間はいくらでもある。何回でもやり直せる。
そんな言葉も聞いたことがある。
どうも時間の概念は人間の行動を制限しているようだ。
もし現代から時計がなくなったとしたら、一体どうなってしまうだろうか。
自分の好きなタイミングで職場に行くし、決まった休憩時間もない。
休みたい時に休んで、働きたいときに働く。
そのとき会った人と過ごすことが特別になる。
電車も適当に走っているし、飛行機も適当に飛んでいるから、駅や空港はサロンになる。
急ぐ必要がない。怠ける必要もない。
待つこともないし、待たせることもない。
年齢もないし、記念日もない。
好きなときに好きなことをやるしかない。
思い通りにいかないことがなくなるのではないだろうか。
そう考えると時間の概念はこれからさらに進化していくはずだ。
動画は2011年にヴェネティア・ビエンナーレで金獅子賞を取ったクリスチャン・マークレーの「The Clock」。
時計が映るシーンのフィルムと実際の時間をシンクロさせて24時間の映像にしたもの。
時計がなくなったときにアートはどう見えるだろうか。
僕は生き物に見えると思う。